2012/10/15

湯浅紀行
















和歌山県立近代美術館で 田中恭吉の展示を見たあと

訪れたのは湯浅の町

入り江の奥に位置し 漁港をもつ 細い路地の巡らされた小さな町

醤油発祥の地としても知られる



ここには学生時代の先輩であり 作家 妻木良三さんが住む

数年前 郷里であるこの町に拠点を移し

同じように離れた場所に郷里を持つ自分としても考えること多く

和歌山に来るなら と 言葉に甘え 足を運ぶ

 






僧侶でもある妻木さん宅 本堂にて久しぶりの再開 話をしていると

ちいさな族たちの乱入 毎日のように訪ねてきては夕方5時の鐘をつくという

氏の絵のまえ そのかたちをまね 戯れて寝転がる子ら

その作品 静寂の空間を前に 賑々しく

お寺は子供の集うところ 当たり前のようにあった光景に しばしほころぶ










湯浅の町を歩くと 路地から路地へ 家の壁

次の角 次の角へと 古い家が軒を連ね

入り組んだ家々の隙間から 青い空が顔を出す









 


 















外観だけ保存され 整えられた町は多くあるけど

ここは生活のいい匂いがする













町が魅力的だと空がよく映える

絵画における地と図のそれも同じようなものだろうか


やけにおしゃべりな人々に出会い これまたここちよい和歌山弁

生活や町並みのつくりだす窓から 向こう側がよく見えた










妻木さんと 出会った人々 湯浅の町に感謝