先週 松山の渡部家住宅で開催された展示
少々慌ただしかった準備も
銅版画家 井出創太郎氏の襖が入るにつれ
新たな空気が邸内にながれはじめる
幕末に改め庄屋として建てられたこの邸宅は
農家でありながら 武家の造りをほどこされた全国的にも珍しい邸宅
当時農家には許されなかった瓦葺きや どんでん返し 和紙の貼られた床の間
随所に嗜好がみられる
瓦の上に申し訳程度にのる茅葺きは 一応農家であるという言い訳だそうで
邸宅は庄屋としてのパブリックな場所である表の間と
個人の住まいである奥の間により構成される二重構造になっている
最後の展示から7年ぶりに入った井出氏の作品
あれほど張り込みを手伝い 見慣れていたはずなのに
新鮮な感情を呼びおこし今は住む人のない邸宅にいのちを宿す
わたしもこの佇まいの邪魔にならないようにお手伝い
個人的に思い入れがあるのは産部屋
表の間と奥の間の中間にあり
先代の当主まではここで生まれたという
この狭間の部屋にわがままながら芽をふかせてもらった
自分にとっても特別な場所である
再び呼んでいただいた渡部家当主と井出氏
7年前とかわらずサポート頂いたまつやま文化財サポートの会のみなさん
その他スタッフの方々
訪れて頂いた多くのみなさんに感謝